2014年7月21日月曜日

シロスタゾールがアミロイドβを減らし認知症予防に効く

久々のNHKスペシャル。今回のテーマは、
『"認知症800万人"時代 認知症をくい止めろ ~ここまで来た!世界の最前線~』
(↑このリンクをクリックするとNHKのサイトへ飛びます。)

今まで徘徊老人の増加などの社会問題で脅かしてきたNHKにしては、あっさりと認知症の問題が解決すると示唆する前向きな内容で、とても興味深かったです。今日はその概要を簡単にまとめます。

◆概要
認知症の原因の7割を占めているのはアルツハイマー病。
そのアルツハイマー病は、脳内にアミロイドβと呼ばれる原因物質が蓄積されること、そして記憶を司る海馬が委縮することと相まって起きる、と言われています。

アルツハイマー病では、アミロイドβが25年前から蓄積しだして、発症の5年前から軽い物忘れが増えていく、そして海馬がある一定の大きさを割った時に発症する、そういう仕組みだそうです。


そんなアルツハイマー病ですが、解決の糸口が何と日本で見つかった。
2014年2月に淡路島に、アルツハイマー病の進行が遅い人達がいる、との報告があり、調査したところこれらの患者は皆、シロスタゾールという薬を飲んでいました。

シロスタゾールは脳梗塞の再発を防ぐ薬だそうで、血液をサラサラにする効果があるそうです。このシロスタゾールの血液サラサラ効果で、血管に溜まったアミロイドβが血液と一緒にも流されていき、減少していると考えられています。

マウスにシロスタゾールを混ぜたエサを食べさせたところ、アミロイドβが減少した、との研究結果も国立循環器病研究センターの研究でわかっているそうです。


また、アメリカではインスリンを鼻から吸い込ませることで、アルツハイマー病の治療へ繋げようという取り組みが始まっています。

アルツハイマー病は『脳の糖尿病』と呼ばれています。
なぜそう呼ばれるかというと、糖尿病とは細胞が糖を取り込めなくなってしまい、糖を取り込めないことで細胞がエネルギー不足に陥ってしまう、そういう仕組みだそうですが、アルツハイマー病も脳の中で同じエネルギー不足が起こっているらしいのです。
15年ほどの長い年月をかけ、脳細胞が糖を取り込めなくなってしまい、エネルギー不足となっていく、この状態がアルツハイマー病である、という考え方だそうです。

糖尿病と同じであれば、インスリンを投与することで解決するのでは?と思って試してみると効果が出てきた。という状況で引き続き実用化に向けた努力を行っている段階の様子。


但し、こうした日本でのシロスタゾール、米国でのインスリンを使った認知症予防、すなわちアルツハイマー病予防は、実際の臨床の場で使われ始めるのは、試験段階を経て早くて2020年になるとのこと。
現段階ではこれら薬物を使った治療は禁止されているそうです。


最後にイギリスでは、脳卒中と心臓病など、生活習慣病の予防対策に力を入れると、結果的に認知症も減ったそうです。
この取組では、患者が病気を克服すると医師のポイントに繋がり、それが医師の給与アップに繋がる仕組みを作ったことも大きい。医師は頑張って治療すればその分給料が増える。
イギリスではGDPの1%を認知症予防に費やしている、ということですから認知症対策先進国かもしれませんね。

◆考察
今回のNHKスペシャルでは、認知症の原因の7割を占めるアルツハイマー病予防に焦点を当てて番組が進みました。即ち、シロスタゾールでアミロイドβを減らしたり、インスリンで細胞のエネルギー不足を解消したり、という症状の緩和に焦点が当てられていたのですが、アルツハイマー病の発症に欠かせない「海馬の委縮」については、あまり触れられずに番組が終わりましたので、このような海馬の委縮がどうして起きるのか?それをどうしたら改善できるのか?といったことが分からないと、完全なるアルツハイマー病の予防には繋がらないんだろう、という気がしました。

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