2014年5月12日月曜日

GPIFの日本国債が売られると

少し前にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が資産配分、すなわちポートフォリオを変更して、現状の債権主体から株式主体へ切り替える、そういう方向で考えている、という記事を書きました。

ここで再度、その影響について考察してみたいと思いますが、私も専門家では無いですし細かい点は外れている部分もあると思いますが、話を単純化して書いていますので、その点はご容赦をください。

現在の日本国債の長期金利(10年もの)は0.6%、短期金利は3年もので0.1%、1年もので0.07%で、超低金利です。
今回、GPIFが日本国債を売却、正確には満期が来ても新しく日本国債を買わずに日本株式を買う、という形になるでしようから、いずれにせよ38兆円分の国債購入資金が無くなります
購入資金が無くなる、すなわち国債の買い手がいなくなるわけですから、受給バランスから国債価格は下落するでしょう。そうすると反対にあることが起きます。それは何か?


そう、金利上昇です。

ややこしいですが、国債金利上昇=国債価格下落、ですから、国債を保有している人は損失を生じます。誰が国債を沢山持っているかというと、銀行や郵貯などの日本の金融機関です。
すなわち、金利上昇で日本の金融機関が保有する国債価格も下落し、巨額の評価損が出て、金融システムが不安定になる恐れがある、ということです。
思い起こせば昨年2013年5月10日以降、長期金利の急激な上昇で株式市場も投資家の不安心理から、下落局面へ突入したのは記憶に新しいです。
ただ、その38兆円で日本株を買い支えるということですから、株価の下落はある程度抑えられるのかもしれませんし、リーマンショック後、東京三菱や三井住友、みずほ等のメガバンクはリスク低減のため確か2~3年の短期国債での運用に切り替えていたように記憶しているので、金利上昇で本当に危険なのは地銀系かも!?しれませんね。

さて、そんな金利上昇リスクを抱える日銀の黒田総裁ですが、1年前の会見では2年で2%のインフレを目指す、具体的には2%の物価安定目標を目指す(消費者物価指数の2%アップ)と言っていました。
今年は消費増税もあり、4月25日に総務省が発表した東京都区部の消費者物価指数は昨年度比+2.7%だそうですから、ある意味、もうそろそろ達成されそうな状況な気がします。

また、昨今話題になっているのが、建設業や飲食業での人手不足やエネルギーコストの増加。
前者の人手不足は賃金上昇による商品への値上げへ響いてくるでしょうし、4月21日に財務省が発表した「2013年度貿易統計」によると、原発停止で火力発電に使うLNG輸入コストは前年度比18.2%増の7.3兆円で過去最大を継続中、ということですから、このエネルギーコスト増による商品値上げも、今後、一段と鮮明になってくる気がします。

そして日銀も「長期金利は日銀もコントロール出来ない」と認めていますから、これ以上の金融緩和をやりすぎるとインフレーションが加速して物価上昇が止まらなくなるのが怖いです。また、建設業や飲食業は給料がアップするから良いとして、給料が上がらない業種では最悪のスタグフレーションとなり得ますし、日本の将来は大丈夫かな?、そんな嫌な事を考えている今日この頃です。
(どちらにせよ、日本の賃金体系は外国より高いので、もっと給料が安くならないと製造業の国内回帰も難しいでしょうから、そういう意味では、スタグフレーションは避けて通れない道なのかも、とか考えたりもします。)

あとどうしても引っかかるのが、4月18日に麻生財務大臣が、GPIFの資産配分変更で6月から外国人投資家の動きが出てくる云々、と発言した下りです。
この外国人投資家の動きとは何を指しているのか?何となく分かっているようで分かってないので、この辺りは引き続き検討するとして、日本株は今後は上がるのか下がるのか、しばらく注視していきます。

それと昨日のNHK日曜討論で、田村厚生労働大臣が「選択制で75歳程度まで」年金支給開始繰り下げ検討」と言ってました。早速ニュース(←NHKへリンク)になっていますが、やっぱり年金には期待できない、そんな思いを強くしました。

2014.4.23 GPIFの資産配分変更と年金の将来について

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