2014年4月23日水曜日

GPIFの資産配分変更と年金の将来について

先日18日、麻生太郎財務相がGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産配分、すなわちポートフォリオの日本国債を減らし、日本株式の購入を促進する方向性を進める、旨の話をしたところ、日経平均株価が400円以上値上がりしました。

GPIFの運用資金額は、平成25年度第三四半期で約128兆円(リンク先はPDFファイル)ということです。

この中で6割を占めるという国債残高が減り、それが日本株式市場に流れ込むわけですから、仮に3割が減ったとしても38兆円の資金が流れ込む計算です。そのため市場からは相当のインパクトを持って迎えられ、投資家が先回り買いをしようとしたのでしょう。

昨年2013年4月に日銀の黒田総裁がぶち上げた異次元金融緩和は、

 日銀が金融機関から国債などを買い入れてお金を市中に供給し、現在138兆円あるマネタリーベースを2年後に2倍の270兆円に膨らませる。

というものでした。2年で132兆円の増加ということは半年で33兆円。

今回のGPIFは仮に3割が株式市場へ流れると仮定したら38兆円ですから、大凡、半年間の金融緩和の延長に相当します。

これをどう読むか?


そもそも、黒田総裁は戦力の逐次投入はせずに打てる手は全て打つ、と宣言してスタートした異次元金融緩和でしたから、追加緩和は出来ない、と思うべきです。
4月の日銀定例会見でも、追加緩和の可能性を否定する発言をしましたし、その結果として株価が下落したので、慌てて言い訳して市場の不安を取り除きましたけど、やっぱり追加緩和はやらないのだろうと思わせました。
また、追加緩和をしてしまうと、1年前の前言撤回となり、黒田総裁自身の発言が今後信用されなくなるリスクを孕みますから、他の手段、すなわちGPIFの資産配分の変更で追加緩和の代わりにしようとしているのだと推察します。

追加緩和でもGPIFの資産配分変更でも、株式市場に30兆円以上の買い手が現れる、ということに変わりはないですからね。間違いなく一時的に株価は上がります。

4月からは消費増税で消費も冷え込んできていますし、ここで栄養補給しておかないとアベノミクスは崩壊しますし、既にアベノミクスは終わった論も、各所から出始めていますしね。政府の対応は妥当な感じもします。

まぁただ・・・そんなことより、

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用をリスク資産を多くしすぎて本当に大丈夫なんでしょうか?

GPIFは我々の年金を運用してます(GPIFより引用)

現在の年金支給開始は65歳ですが、働き盛りの我々が年を取る頃には70歳が支給開始になると言われています。また、現在の高齢者の年金支給額と比べて、我々の手取りは半額以下になろうと推察されます。
これは年金暮らしの私の両親の支給額と、1年ほど前に算出した私の支給予定額(8万円程度!?)と比較しての話になるのですが、今まで人よりも稼いできた自負のある私でも、パートで働いてきた私の母程度の支給額しかないのです、悲しくなります。

そんな現在の年金支給予定額ですが、これは国債という安定資産で運用していますから、8万円から増える見込みもそれほどないのですが、今回の株式への資産配分変更により、リスク資産で大幅に年金資産が増加する可能性が出てきたわけです。

よっしゃ!年金支給額が増える!

なんて甘い考えが一瞬頭をよぎりましたが、それもこれもアベノミクスが成功してこその話。

アベノミクスが失敗して株価が下がれば、リスク資産に振り分けられたGPIFの運用資金は目減りして、私の年金支給額も更に減額される恐れが出てきますので、アベノミクス成功は日本国民の将来がかかっている、と言っても過言ではないのです。

考えていて、恐ろしくなりました。
年金は既に崩壊気味ですが、このアベノミクスで完全崩壊する危険が増したわけです。

私自身、構造改革を盛り込んだ効果的な第三の矢を放てないアベノミクスは厳しいと考えておりますので、20年後、30年後の未来を考えることが末恐ろしくなってきました。

最終的に年金に頼らず、自分で運用して老後資金にするしかないですね。

ちなみに4月4日のロイターの記事に、GPIFはJ-REITなどにも投資、とも書いてありますので、この辺りを拾っておけば少しは資産運用に役立つかもしれません。

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[東京 4日 ロイター] -年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本株運用の見直しに乗り出した。年金資産120兆円の効率運用を促す有識者提言などを踏まえ、不動産投資信託(JREIT)への投資開始やインデックス運用の多様化に着手、超過収益を確保するのが狙い。

GPIFが4日午後、発表した。見直したのはJREITでの投資やJPX日経インデックス400などの新たなベンチマークの採用に加え、アクティブ運用の一部ファンドに「実績連動報酬」を導入することが柱。関係者によると、3月下旬から見直しに着手し、この日までに対応を終えた。

これまでTOPIXだけだったパッシブ運用のインデックスにはJPX日経400に加え、MSCIjapan、RussellNomuraPraimeの3つを追加した。

アクティブ運用では従来の「伝統的アクティブ運用」とは別枠で、中長期的に超過収益を獲得することを目指すカテゴリーとして「スマートベータ型アクティブ運用」を採用。ゴールドマン・サックス・アセットマネジメントや野村アセット・マネジメント、ディメンショナル・ファンド・アドバイザーズ(野村ファンド・リサーチ&テクノロジーの再委託先)に委託した。

また、委託先のインセンティブを高める狙いで一部ファンドを対象に実績連動報酬の導入に踏み切る。
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ちなみに、麻生財務大臣によると、6月の成長戦略改定で、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用の在り方が議論されるということですので、ここが株式相場の一つのターニングポイントとなるのかもしれませんし、もう既にそれを織り込んだ相場が始まってしまったかもしれませんね。

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